大型犬の多頭飼いに必要な覚悟とは?相性・費用・体力を徹底解説

「いつかは大型犬と暮らしてみたい」「2頭、3頭と一緒に過ごせたら素敵」――そんな憧れを抱く方も多いでしょう。
セントバーナードやサモエド、ゴールデンレトリバーなどの大型犬は、その大きな体と優しい性格で多くの人を魅了します。

しかし大型犬を迎えるには、特に多頭飼いを考える場合、広さ・費用・体力・しつけ・別れの覚悟・犬同士の相性まで理解しておく必要があります。本記事では、憧れを現実にするための6つの覚悟を、具体的な数値・手順・チェックリストで解説します。


大型犬の多頭飼いは「憧れ」と「覚悟」の両立が必要

大型犬を2頭、3頭と一緒に暮らす姿は、多くの犬好きにとって憧れの光景。
しかし現実には、広さ・費用・体力・しつけ・別れ、そして犬同士の相性という大きなハードルが存在します。
つまり、多頭飼いは「癒しと安心感の喜び」と「それを支える覚悟」の両立が必要です。


なぜ多頭飼いには覚悟が必要なのか

大型犬ふれあいカフェ『ほっとひと犬』の大型犬6頭

1頭でも準備は必要ですが、多頭になると負担は量だけでなく質的にも跳ね上がります。

  • 犬同士の相性問題:性格・年齢・性別の合わなさが本気の喧嘩に発展し、訓練を受けていないと成人男性でも止めるのが困難。
  • 住環境の制約:寝床・クレート・導線まで頭数分必要。
  • 経済的負担:フード・医療・保険・消耗品が大幅に増える。
  • 体力・時間の消耗:散歩・運動・トレーニング・掃除が同時並行で発生。
  • しつけの複雑化:群れの秩序(リソース管理・順番待ち・呼び戻し)が必須。
  • 寿命と別れのリスク:タイミングが重なりやすい。

大型犬と暮らすための6つの覚悟

1. 住環境の広さと導線設計

目安

  • 休息スペース:2畳/頭(全身を伸ばせる寝床+体勢を変えられる余裕)
  • リビング:8〜10畳+(1〜2畳/追加1頭)
  • クレート:頭数分(避難・就寝・来客対応・多頭調整に必須)

導線のコツ

  • ゾーニング:①休む場所 ②食べる場所 ③遊ぶ場所 を分離
  • 仕切り:ベビーゲート/サークルで一時分離できるレイアウト
  • 給餌:別室/別エリアで与え、食器は即回収(資源ガード対策)

2. 食費・医療費のリアル(概算)

項目1頭2頭3頭
フード代2〜3万円/月4〜6万円/月6〜9万円/月
ペット保険3,000〜5,000円/月6,000〜1万円/月9,000〜1.5万円/月
予防・医療の平準化5,000〜8,000円/月1〜1.6万円/月1.5〜2.4万円/月
消耗品(トイレ・ケア)3,000〜6,000円/月6,000〜1.2万円/月9,000〜1.8万円/月
合計(目安)3.1〜4.9万円6.2〜9.8万円9.3〜14.7万円

※疾患治療・手術が重なると一時的に数十万〜になることも。緊急費用の積立を。


3. 散歩・運動・時間配分

基本:大型犬は1日2回×30分以上自由運動(ドッグラン・原っぱ)が理想。
多頭の現実:体力差・性格差でメニュー分割
が必要になることも。

モデル1日の流れ(例/2頭)

  • 朝:並走ウォーク30〜40分(引っ張り対策のハーネス+並列歩行)
  • 朝:各10〜15分の個別トレーニング(呼び戻し・マテ・ハンドリング)
  • 夕:自由運動20〜30分(ラン or ロングリード)+クールダウン散歩
  • 室内:ノーズワーク(※)/知育10分(雨天時の精神的発散)
    ※嗅覚を使って、物を探したりする遊び

関連記事で補完:運動量の深掘りは
「セントバーナードに必要なスペースと運動量とは?飼えない人におすすめの触れ合い方【東京・大型犬カフェ】」


4. しつけとマネジメント(多頭仕様)

  • コアコマンド:呼び戻し/ハウス/マテ/離して(ドロップ)
  • リソース管理:おもちゃはローテーション同時に1つは避ける
  • 来客時:クレートイン→落ち着いた順に解放
  • 新入り導入手順
    1. 中立地で平行ウォーク → 2) 匂い交換 → 3) 短時間同室 → 4) 休息は別室から開始
  • トラブル未然防止:ハイテンションは3分で休憩、水分補給、距離感をリセット

5. 介護・別れに向き合う設計

  • ライフプラン:年齢差をつけて迎えると介護・別れの重なりを緩和
  • 介護導線:滑らない床・スロープ・段差対策
  • 心の備え:子どもへのペットロス教育/家族での見送りの方針を事前合意
  • 経済備え:高齢期医療の年間上振れを見込んで積立

6. 犬同士の「相性」を見極める

チェックポイント

  • 遊びのスタイル:ラフ?追いかけ?静かな並走?
  • ボディランゲージ:カーミングシグナル(あくび・目線外し・身震い等)を読めるか
  • リソースガード:食器・寝床・人に対する独占傾向
  • 年齢・性別バランス:若犬×若犬は興奮相乗、若犬×シニアは疲弊に注意

導入のゴールデンルール

  • 「うまく行っているうちに切り上げる」(良い印象でセッションを終える)
  • 初期は短時間×高頻度、睡眠と分離を十分に。
  • 兆候(固まる・フリーズ・硬直)は一旦距離。叱責より環境調整

※本気の衝突時の安全対処はリスクが高いので、無理に素手で引き離さない。遮蔽物・大きな布で視界を遮る/音で一瞬の間を作って距離を取るなど、まず人の安全を最優先に。
※そのうち本気の喧嘩や激しすぎるワンプロを止める技術について、解説しようと思ってます。
 気になる方はお店までお問い合わせください。


30秒セルフ診断:あなたは多頭飼い向き?

各項目で「はい=1点」

  • 1日合計90分以上の散歩/運動時間を確保できる
  • クレート・ゲートなどの分離設備を用意できる
  • 月+3〜5万円/頭の上振れに対応できる
  • 来客時や子ども対応を計画的にコントロールできる
  • 叱るより予防や環境を整える方針で続けられる
  • 導入手順(平行ウォーク→短時間同室→分離休息)を守れる
    →4点以上なら、準備を具体化する段階へ。3点以下は、まず1頭で基礎を固めるのがおすすめ。

大型犬との暮らしに必要な覚悟

結論として、多頭飼いには「広さ・費用・体力・しつけ・別れ・相性」の6条件を満たす覚悟が欠かせません。
この前提をクリアできれば、群れで寄り添う
圧倒的な安心感家族としての一体感が待っています。


まずは“体験”で確かめる:飼えないけれど大型犬に触れ合いたい人へ

「憧れはあるけれど、自宅で飼うのは難しい」――そんな方には、大型犬カフェでの現場体験がおすすめです。

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